特殊清掃現場で清掃作業を行うときの注意点！業者選びは？...

孤独死などが発見されたときは、部屋の清掃はハウスクリーニングではだめなのでしょうかという疑問を持ったことはありませんか？実際にこのような現場は特殊清掃現場として特別な清掃作業が必要です。
その時に自分ではできないので、依頼する業者を探すことになります。
その時の注意点についても紹介します。
また、孤独死などで部屋が汚れたり悪臭がしたりしている可能性もあるので、その時の注意点についても紹介します。

◇特殊清掃現場のハウスクリーニングではだめなの？

孤独死などで亡くなった現場の清掃は費用をかけて特殊清掃をしなくても、普通のハウスクリーニングではダメなのでしょうかという疑問点をよく聞きますが、このケースでは一般的なハウスクリーニングでは対処不可能です。
人は亡くなって3日以上経つと強い死臭を発します。
さらに体からは死臭だけではなく体液と血液が流れ出してから床材に染み込んでしまいます。
この染みは一般のハウスクリーニングでは除去できずにトラブルになるので特殊清掃は絶対にやらなければいけないものです。
また特殊清掃をしないままだと、強い死臭はますます強烈になり両隣や階下に住んでいる方に迷惑がかかります。
孤独のまま死亡が見つかった場合は特殊清掃をやらなければいけません。

◇特殊清掃でこれだけは注意

特殊清掃現場には清掃前に絶対に入ってはいけない
親族の遺体が孤独のまま見つかったときは、特殊清掃前の遺族の入室はやめた方がいいでしょう。
親族以外には見られたくない物がある可能性があるからと万が一故人を気遣って室内に入ってしまうと、あまりの死臭の強さに体調を崩す危険性が高いです。
さらに、発見されるまでに長時間経ってしまっている遺体の場合には、よく流れ出た体液が床に故人の形そのままに変色して残るケースがあります。
加えて死亡時に血を吐いたり怪我で大量出血をすると、部屋一面に血液が広がっていることもあります。
このような人の死に関わる強烈な現場に直面すると、精神的ショックを受けてしまい、幻臭症状やうつ病を発症して、長い期間苦しむケースがあります。
清掃の前の入室は避けましょう。

特殊清掃時に窓は必ず占める
さらに窓を開けると悪臭が近所に広がる恐れがあるので、絶対にしてはいけません。
その理由は、あまりにも強烈な死臭が近隣に広がるからです。
孤独のまま亡くなられた方の居室の死臭は耐えがたく、すぐに換気したい気持ちは分かります。
しかし、アパートやマンションといった集合住宅はもちろんのこと、たとえ一軒家でも臭いの換気のために窓を開けてはいけないことが、この清掃においてのルールになっています。
天気の良い昼間を想像してみてください。
家族の洗濯物や布団を干している近所も多いでしょう。
そんなときに死臭が充満している部屋の窓を開けてしまうと、洗濯物に臭いが付きます。
洗濯物に付いた死臭は住人から損害賠償請求されかねません。
それだけ人の死臭は強烈なものです。
従って絶対に窓を開けてはいけません。

特殊清掃現場に入室時は手袋と防護服を着用
人によっては特殊清掃が終わる前の部屋に入らざるを得ないケースがあるかもしれません。
そのときは、手袋と防護服の着用をしましケースがほとんどです。
従って遺品に触れるときは必ず手袋着用ません。
その上に体液が付いた手で遺品整理をすると、いろいろな場所に強烈な臭いをふりまいてしまい拡散させます。
一度拡散した死臭に対処するにはその洗浄に時間と高額なお金がかかります。
このように清掃が終わる前の部屋に入ってはいけませんが、やむを得ず入らなければならない場合は、手袋や防護服の着用をしましょう。

人が亡くなった現場では、次のように、いろいろなリスクが発生します。
できる限り、無理に入室しようとしないで、業者に依頼しましょう。
尚、我々の作業後には、安全に入室できる状態になります。

◇嗅覚的刺激について

一番悩まされるのが、腐敗臭です。
特に特殊清掃が必要なお部屋には、脳裏に焼き付くほどの臭いが立ち込めています。
その強烈な臭いは、ふとした時に思い出してしまう、またいくら身体を洗ってもいつまでも臭う気がするなど、中々解消するものではありません。
市販されているマスクでは、臭いをなかなか防ぐことができず、例え特殊な防臭マスクを用いても、はっきりと臭いを感じるくらいの強度があります。
業者が作業を行った場合、高濃度オゾンにて時間をかけて消臭作業を行うことが多いので、その前の入室はなるべく避けていただければと思います。

◇視覚的刺激について

特殊現場は、非日常的な情報がたくさんあります。
気軽な気持ちでいると視覚から入った信号が強烈であるが故、脳裏に焼き付いてしまい、その後悩まされ続けるケースが多いようです。
床面に故人の姿形がそのまま体液として残存していたり、一人で過ごしていた苦悩を感じてしまうたくさんの情報があります。

◇心理的な外相について

家族、親族の方は特にご注意ください。
とても辛く、悲しいお気持ちは十分に理解できますが、視覚的・臭覚的な衝動はその後、脳裏に焼き付きます。
そして、家族・親族の方がお亡くなりになられた事への心理的負担が重なり、心へのストレス障害を抱えるケースがあります。
故人様を思い出し、ご供養される事はとても大切な事ですが、悲惨な現場をいつまでも忘れられずにいる事は、故人様にとっても、残されたご家族・ご親族様にとっても、良い事だとは思いません。

◇2次被害の恐れ

病気で亡くなった故人の遺体は、48時間以上体内に菌が残存する事はないと考えられます。
しかし、死後48時間を過ぎると内臓腐敗が進み、細菌が増殖し始めてから腐敗が進みます。
ウジ虫やハエ、ゴキブリなどにより、部屋中に細菌が広がり、その結果その部屋は細菌だらけになります。
家族・親族の健康被害を防止するためにも入室するときは気を付けください。
入室するときは、普段着などの軽装備での入室はしない状況にもよりますが、マスクや手袋を必ず着けて出来る限り肌の露出は抑えましょう。
置物に手を触れてはいけません。
もし触れなければならない場合は、かならず手袋を着用しましょう。
退室後、着用したものすべてを、処分してください。
手袋や衣服などに腐敗臭や細菌が付着している可能性があります。
害虫にはくれぐれもご注意ください。
部屋には、ゴキブリやハエ、ウジなどの菌の運び屋が繁殖している可能性があります。

特殊清掃の現場では、死体から体液や血液が滲み出しており、細菌による感染症にかかるリスクが高まります。
医療現場でも手術着やマスク、手袋を着用し、徹底的な除菌を行います。
したがって、特殊清掃の入室時には、しっかりと防護服、マスク、手袋などで身を保護し、除菌剤を散布してから入室するのが一番です。
特殊清掃の現場に入るということは、常に感染症のリスクとトン来合わせであると考えていたほうが安全です。

◇むやみに特殊清掃現場に入室すると感染症にかかる恐れがある

死体からの体液や血液による感染症の危険性は説明してきましたが、腐敗によって発生したウジやハエなどの害虫や、ネズミやイタチなどの害獣なども伝染病の病原菌を持っているので注意が必要です。
ここでは特に多いハエとネズミによって引き起こされる伝染病を紹介します。

ハエによる伝染病
ハエは人の生活圏の近くに居て、食物や排泄物に関わり合いを持っていて、消化器系の赤痢、チフス、コレラ、Ｏ-157等の病原菌、そして皮膚疾患、目の疾患の病原体、赤痢アメーバ、寄生虫卵、さらには、ポリオウイルスの伝播というように実に幅広いもの伝染病などにかかる恐れがあります。

ネズミによる伝染病
ネズミは普段から不衛生な場所を移動するため、全身に病原菌をまとっていると考えておきましょう。

◇特殊清掃現場で感染症予防はどうすればいいの？

このように特殊清掃現場では、感染症の危険性が非常に高いことが分かたのではないでしょうか。
それでは次に、特殊清掃現場に入室する時の感染症の危険性を下げられる予防法を紹介します。

薬剤を使って除菌する
防護服を着ても作業中に破れてしまうこともあるので、特殊清掃を行う部屋の空間除菌を行います。
業者では市販では売られていない強力な消臭・除菌専用の薬剤を使っているところがほとんどです。
また、薬剤に添加物を入れて性能を高めたものを、フォグマスターという専用の微粒子噴霧器などで散布します。
万が一、個人で特殊清掃を行う場合は次亜塩素酸ナトリウムなどの市販品を、ガーデニング用の噴霧器で散布するだけでも、ある程度の菌は死滅しますので行ってください。

特殊清掃業者へ依頼
部屋の中に重要な書類が残っていてどうしても必要というケースもあるでしょう。
このような要望は分かりますがやはり特殊清掃の現場に素人が入ることは、道具や薬品の知識がなく感染症の危険性が高いのでやめておいて、できることなら特殊清掃業者に依頼して処置してもらうようにしましょう。
特殊清掃業者に依頼すれば、専用の機材や除菌剤を使って感染症の危険性のある現場を除菌し、死体のあった場所を重点的に掃除してくれて入室できる状態まで処理してくれます。
そうすることで、死臭も完全に除去して、最大限に感染症の危険性を抑えた状態にしてくれます。
急いで部屋に入らなくてはという方は、特殊清掃業者に依頼して普通の服で入室できるような状態まで行ってもらうことをおすすめします。

特殊清掃業者を探すときにいくつか注意点があります。
その点を詳しく紹介します。

◇特殊清掃の作業実績

やはり特殊清掃をするには数多くの現場経験がないと出来ないので、過去の作業実績をホームページに掲載している業者があれば安心できるのでチェックしましょう。

◇利用者の評判はどうなのか

ここではインターネットサイトや口コミサイトなどで実際に依頼した方の生の声を確認しましょう。
料金面や作業の仕上がり具合、接客態度などいろいろな声が確認できるので選ぶポイントになります。

◇特殊清掃業者の技術力は

実際に特殊清掃でどのような技術を使うのかも調べておきましょう。
業者ごとにいろいろなやり方がありますが、作業工程などを明記していない業者は技術力がなく完全な消臭・除菌ができなくて、作業後にトラブルになることもあるので確認しましょう。
きちんとした技術を持っている特殊清掃業者は、ほとんどの場合ホームページなどに詳しく記載されています。

孤独死などの特殊清掃現場の場合、個人で特殊清掃などはできないし、ハウスクリーニングに依頼してもきれいにはできません。
特殊清掃業者へ依頼してやってもらわなければいけないということと業者を探すときの注意点を紹介してきました。
もし、自分の周りで孤独死の家族などが出た場合に、ここで紹介している情報を読んで参考にしてください。
特に業者選びや入室時の注意点などは役に立つはずなので、ぜひ利用してみてください。